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STORY #1繋ぎ合わせるもの、解体するもの

2120年
地球は未確認知的生命体に襲撃を受ける。
世界各国が集結し、国際連合軍(United Nations Forces)を設立。阻止を図る。

現存の兵器ではまったく歯が立たず地球は壊滅的な状況に陥った。
未確認知的生命体は成層圏に姿を表し、成層圏から攻撃を仕掛けてくる。迎撃手段として遠隔操作のロボットがメインであったが、実践では反応が遅く戦闘には不向きであったため、実際に人が乗り込み操縦するロボットが求められた。

10年という驚異的なスピードでプロトタイプが完成。人類の人口が1/3減少。

20年目にしてついに実戦配備。幾多の犠牲の元、改良に次ぐ改良を重ねる。人口の約半分が減少。

2145年
輝夜はサンフラッグ社テストパイロットから、UNFに参加。優秀なエースパイロットに。
輝夜の実践データは各バトルドライバーに反映されている。
UNFはさらなる実践データを取得すべき、輝夜専用のバトルドライバーを開発。
開発をサンフラッグ社に要請。

伊紗波もサンフラッグ社からUNFに出向。専属メカニックとして配属された。

2150年
輝夜専用バトルドライバーの開発に成功。テスト段階に入る。

同じ頃、未確認知的生命体の襲撃を受け、輝夜は成層圏に出撃する。

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【伊紗波編】

昇降機から三体の帰還機の姿が現れる。格納庫に降り立つと、コックピット・ハッチ開き、パイロットたちが降り立つ。
その声を背に、サンフラッグ社のメカニック伊佐波は損傷機の修理を行っていた。手に、一本のドライバーを握り締めて。

——ゴメンね。ちゃんと治してあげるから……。
彼女は、心の中で機体に語りかける。

「オイ聞いたか? 第四機動部隊の奴ら、この混戦の中未帰還機なしだとよ。」

「それに比べて俺たちは、大打撃を受けたうえ輝夜小隊長の生死も不明……か。今回は奴らを撃退できたものの、次はないな。」

 パイロットたちの声は遠のいていく。

「俺たちにもスパークウェイ社の新型を配備してもらってたらな……」

「馬鹿! おまえ……サンフラッグのメカニックが乗ってるんだぞ!?」

「つってもなぁ……。」

伊佐波は無我夢中で整備を続ける。

「アクチュエーターが派手にやられてる。オイルも漏れて……」
誰にともなく呟く。

足音が、パイロットたちと入れ違いに近づいてきた。

「相変わらず仕事が速いな、伊佐波。ほぼ修理完了か」
背に声をかけられて、ようやく我に返る。振り向くと、司令官の姿があった。

「どうかしましたか?」

司令官は手持ちのタブレットから一機のバトルドライバーを投影した。

「バトルドライバーSK-001……今回の合同演習でテストを行う予定だった……。」

「国連軍第七機動隊は見ての通り壊滅寸前。一方で、第四機動部隊は目まぐるしい戦果を上げた。」

「…………」

 伊佐波は黙って頷く。

「無論機体性能だけとは言い切れない、けれど…第七部隊だって本来は優秀なチームよ。プライドだってあるわ。それ相応の武力を預ける価値があると思うの。」

「まさか、001を実戦に? まだテストも終わっていないというのに……。」

「そこで、あなたにSK-001の専属メカニックをまかせるわ。」

「整備に難があるとはいえ、あなたの手腕ならば問題ないだろう。」

「待ってください! まだデータが不足して……」

 詰め寄るように伊佐波は抗議する。

「実戦投入は決定事項だ。異論があるなら他をあたる。」

「……」

「先の戦いでデータにない敵が現れたののだ。」

冷たいまなざしのまま、事務的に応える。

「輝夜は。。。彼女は実践配備に了承しているんですか?」

「ああ……と言いたいところだが。残念ながら少尉は先の戦いで作戦行動中MIA認定された。」

「!」

声にならない悲鳴が伊佐波の口から漏れる。

「彼女の戦闘データを元に調整している以上、少尉以外の適任者はいないだろう。今回の戦闘で被害が少なく済んでいるのも、彼女の力あってこそだ。」

「これは私情になるがな。私個人としても彼女には恩がある。戦いの場で、職人が軍人に恩を返すならば、より強力な装備を与えるだろう。出来ることなら、少尉に使ってもらいたい。元より彼女が使うことを前提に設計された機体なのだからな……」

「48時間。第二波までの時間を逆算して得られた猶予だ。それ以上は待てない。」

「輝夜は、戻ってきます!」

「開発担当からは折刃ユキを回す。一週間で実戦投入できるよう調整してくれ。」

 その名を聞いた瞬間、伊佐波は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

「わ、、わかりました。」

「では、失礼する。」

伊紗波の変化にまったく気を止めず、司令官はその場を立ち去った。